TUFS 2014
1.【A】食べ物を得る際により望ましい量や種類のものが得られる行為を判断すること。(40字以内)
【O】より多くの報酬を得るために待つとか,もっと好きな物を得るためにリスクを冒すこと。(40字)
2.【A】賭け事で負けた場合,自分がたいへん後悔することがわかっている人は,そうでない人に比べるとリスクを胃さない傾向がある。(60字以内)
【O】賭けで損をした自分がひどく後悔するとわかっている人々は。損失をそれほど痛く感じない人々よりも賭けをしない傾向がある。(59字)
3.【A】いずれもすぐに食べ物をもらうより,待ってずっと多くもらうほうを選ぶが,時間が長くなると待つ割合が減り,待っている間は不安や怒りを表す行動をとった。(80字以内)
【O】両者とも3倍多くの報酬を得るために待つという選択をすることが多かった。待つ間に体をかいて小安を表し、壁やテーブルをたたいで怒りを表すなど,感情的行動を示した(79字)
【A】チンパンジーのほうがボノボよりも長く待つ割合が高かった。また,待つ間のいら立ちを声に出す割合が,チンパンジーでは半数近かったのに対し,ボノボではわずかだった。(80字以内)
【O】ボノボよりチンパンジーのほうが待つことを選ぶ確半が約1割高く,さらに自分のいら立ちを声にして表す確率については,ボノボの5%に対してチンパンジーは46%だった。(79字)
4.【A】好きでも賺いでもない食べ物が盛られたボウルと,何か入っているかわからない伏せたボウルのいずれかをチンパンジーとボノボに選ばせる実験で,伏せたほうを選ぶチンパンジーの割合はボノボより高かった。(100字以内)
【O】チンパンジーとボノボがそれぞれ中程度に好きな食べ物と,何だかわからない食べ物のどちらか一方を自由に選択する実験。リスクを冒して食べ物を選択する率はチンパンジーの65%に対しボノボは39%であった。(99宇)
5.【A】チンパンジーはボノボよりも,季節によって食べ物を見つけにくい地域で暮らしているという生活環境の違い。(50字以内)
【O】野生のチンパンジーは食べ物が季節的で見つけにくい場所に住むが,ボノボは食糧を探すのがより楽だから。(49字)
6.【A】2つめのボウルを選ぶ実験で望まない結果になったとき,懸命に自分の選んだボウルを取り替えようとしたのが最もリスクを冒さないボノボであったことは,賭け事での損失を後悔する人がリスクを冒さないのと似ている。(100字以内)
【O】選択結果を悔やむボノボはそもそもりスクを冒す確率が低いように,結果に対する感情的反応が行動の決定に影響するという実験結果。賭け事での負けを悔やむ人はリスクを冒すことが少ないという人間の行動に似ている。(100字)
①consisting ②acquired ③directing ④identify ⑤described
⑥renewed ⑦entered ⑧express ⑨lacked ⑩appears
①カ、②ア、③キ、④ウ、⑤ク、⑥イ、⑦ケ、8オ
1b、2a、3a、4c、5b、6a、7a、8c、9c、10c Transcript
1c、2b、3a、4b、5c、6a、7a、8a Transcript
チンパンジーやボノボは,自分の決めたことが望み通りにならないとき,怒りや失望を示すが,このことは,感情によって選択に影響が出てくる種は人間だけではないということを示唆している。
こうした人間以外の類人猿たちは,リスクの高い選択がうまくいかなかったり,望んでいる見返りを手に入れるのに時間がかかったりすると,ふくれっ面をしたり,めそめそしたり,体を掻いたり,物を叩いたりすると,水曜日(5月29日)に『プロス・ワン』誌で発表された新しい研究では述べられている。
「動物たちは,人間のようにお金を伴う経済行為には関わっていませんが人間が経済的な決定をする際に持ち出す心理的技術は,動物にもあるようです」と,イェール大学の心理学博士研究員,アレクサンドラ=ロザティ研究主任は述べた。
感情的選択 人間は論理的思考力を持っているが,だからと言って,常にそれを使っているわけではない。意思決定に関する多くの研究から,選択するときには感情が大きな役割を果たしており,とりわけ,情報が複雑であったり,不完全であったりする場合にはそうであることがわかっている。人間はまた,選択をする際にさまざまな結果に対する自分自身の感情的な反応を予期すると,ロザティは『ライブサイエンス』誌に語った。たとえば,賭け事で自分か負けたらたいへん後悔するだろうとわかっている人は,負けることにそれほど苦痛を感じない人に比べると,賭け事をしない傾向がある。
ロザティと彼女の共同研究者たちは,いつ頃からこの感情的な意思決定は進化し始めたのか知りたいと思った。人間に最も近い現存種としてチンパンジー(パン・トログロデュテス)とボノボ(パン・パニスクス)は,研究するのに完璧な対象であった。これらの類人猿に感情的意思決定の証拠が見つかれば,人間がこの傾向を他の霊長類と共有している可能性があることになる。しかし,もし類人猿が感情とは関係のない意思決定をするのなら,感情的意思決定は後にヒトに直接つながる進化系統において進化したことになるかもしれない。
研究者たちは,コンゴ共和国にある霊長類のためのティンポウンガ保護区と,コンゴ民主共和国のロラ・ヤ・ボノボ保護区で,2つの実験を準備した。いずれの保護区とも,違法な食用肉やペット売買のために親を失ったチンパンジーとボノボの世話をしている。
最初の実験では,23頭のチンパンジーと15頭のボノボが,ちょっとしたご褒美(チンパンジーにはバナナ,ボノボにはリンゴの薄切り)をすぐもらうのと,1~2分待って3倍の大きさのご褒美をもらうのとのいずれかを選ばせた。
チンパンジーのほうがより忍耐力を示したものの,どちらの種もたいていは待つほうを選ぶということを研究者たちは発見した。1分遅らせるという試みでは,チンパンジーは64パーセントの確率で,待って大きいほうの褒美をもらうことを選んだ。2分遅らせる試みでは,ほぼ55パーセントの確率で,大きいほうを選んだ。ボノボは,1分しかかからないことがわかっているときには,55パーセントの確率で大きいほうを選び,2分遅らせる試みの場合は,47パーセントの確率で大きいほうを選んだ。
しかし,どちらの種も待っている間に感情的な振る舞いを示した。つまり,体を掻いたり,そわそわした様子を見せたり,囲いの壁やテーブルを叩いたりしたのだが,それは怒りの表れである。チンパンジーはボノボよりもいら立ちを声に出すことが多く,46パーセントの確率で情けない声を出したり,叫んだり,うめき声を上げたりしていたが,対するボノボでは,5パーセントの確率にすぎなかった。この動物たちは,そうしたければいつでも実験から外れることができたので,彼らが実験に参加するのは自主的なものだった。)
リスクと後悔
2つめの実験では,24頭のチンパンジーと13頭のボノボにひっくり返したボウルの下の食べ物の小さな山を見せ,その食べ物の山か,もう一つ別のボウルの下の未知の山かを選ばせた。
食べ物は,少なくとも霊長類の目から見れば,さまざまなごちそうだった。研究者たちは,チンパンジーは他の何よりもパンとバナナが好きであり,ボノボはリンゴとバナナが好きだと判断した。チンパンジーはパパイヤとキュウリにはいちばん心を動かされることがなく,ボノボは,ピーナッツとレタスが最も好みではなかった。
見せてもらえるボウルには,どちらの種にもまあまあの食べ物,つまりチンパンジーにはピーナッツが,ボノボにはパパイヤが用意されていた。類人猿たちは,このまあまあの食べ物を選ぶことも,リスクを冒してもう一つのボウルの下にある未知の食べ物を選ぶこともできた。隠れているのはおいしいバナナかもしれないし,うんざりさせるレタスの切れ端かもしれなかった。 実験の結果,ボノボよりもチンパンジーのほうがリスクを冒すことが多いとわかった。ボノボが39パーセントの確率で一か八かの選択をしたのに対して,チンパンジーは65パーセントの確率でそうした。ここでも再び,どちらの種もそうしたリスクを冒して,大好きな食べ物が手に入らないといら立った。物を叩き,声を上げ,体を掻きむしったのである。類人猿たちは,少し後悔とも思える行動さえ見せた。何か入っているのかわからないほうのボウルを選んで,嫌いな食べ物が入っていることがわかると,動物たちは多くの場合,自分の選択をもう一方のボウルに変えようとしたのである。
霊長類の心理学
こうして明らかになったことは,人問が,自分の決定が期待通りにならなかったときに気持ちが乱れる唯一の霊長類ではないことを示している,とロザティは言った。ボノボよりもチンパンジーのほうが喜んで待つことや,よりリスクを冒すということが明らかになったこともまた重要だと彼女は言う。野生の状態では,チンパンジーは食べ物が季節に左右され,見つけるのが難しい地域で暮らす傾向があるのに対して,ボノボのほうが食べ物を手に入れるのは簡単である。この違いで,近種であるボノボよりもチンパンジーのほうが忍耐力があり,よい見返りを得るために進んでリスクを冒す理由が説明できるかもしれない。 「人間も含めて,異なる種に見られるこの類の経済的傾向には,実は,こうした種が異なる環境に対する準備ができているという点で,生物学的な根拠があるのかもしれません」と,ロザティは言った。
今や研究者たちには,望まない結果に対して類人猿が確かに感情的な反応を示すことがわかっているので,科学者たちは,そうした感情が意思決定にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを明らかにしたいと思っている,とロザティは言う。この研究は,この種の影響が実際に類人猿の中で作用しているといういくつかの手がかりになった。たとえば,ボウルに入った食べ物の実験で,望まない結果になった後に最も一生懸命に選択を変えようとしたボノボは,そもそもリスクを冒そうとすることが最も少ないものたちでもあった。その発見は,賭け事での損失を最も後悔する人々は,リスクを冒すことが最も少なかったという観察結果とたいへん似ている,とロザティは述べた。
類人猿は「食べ物を手に入れる決定をするのには,本当に豊かな心理的技能を持っているようです」と彼女は言った。
それは,英語の歌で最もよく知られているものである。数えきれないほどの子どもと大人に歌われている4行からなる単純な曲だ。
「ハッピー・バースデー・トウ・ユー」が,ワーナー・ミュージック・グループの出版部門を訴えている新しい訴訟の論点なのだが,同社はこの歌の著作権を主張しているのである。
木曜日,マンハッタンにある連邦裁判所に出された申し立てで,「ハッピー・バースデー・トウ・ユー」が少なくとも1921年以降は,著作権消滅著作物であるとしている。この訴訟を起こしたのは,過去4年の間に,
「ハッピー・バースデー・トウ・ユー」を使うのに著作権使用料を支払った人々のグループである。
申し立てによると,この歌は著作権料で,1年間に少なくとも200万ドルをワーナー・チャペル・ミュージック社にもたらしているが,同社は,買収した企業であるサミー・バーチャードを通じて,この曲の独占的著作権を所有していると主張している。
ワーナー・ミュージックの代表者は,コメントを求める電話取材には答えなかった。
原告は,その歌に関するドキュメンタリーを監督している制作者で,この制作者についているマンハッタンの弁護士であるランドール=ニューマンとマーク=リフキンは,制作者の名前を挙げることは拒否したが,彼らによると,この制作者はその歌を映画で使うために1500ドルの著作権料を支払わなければならなかったという。原告の会社はグッド・モーニング・トウ・ユー・プロダクションといい,3月に株式会社になった。
よちよち歩きの子どもでも歌えるほど単純な歌には,複雑な著作権の歴史があると,ジョージ・ワシントン大学法科大学院の知的財産権に関する学者であるロバート=プラウナイスによる2010年の論文で述べられている。
「ハッピー・バースデー・トウ・ユー」にはいまだに著作権があるという主張は,[3つの主要な弱点]があると彼は書いている。
「最も重要なのは,この歌の著作権は一度も更新されていないというもっともな論拠があるということです。有効な法では,その歌の著作権のもともとの期限は1963年に終わっています。もし時宜にかなった更新の申請が提出されなかったのなら,この歌はその時点で著作権消滅著作物になっていました」
「ハッピー・バースデー・トウ・ユー」の旋律は,19世紀の終わりごろにミルドレッド=ジェイン=ヒルが作曲した「グッド・モーニング・トウ・オール」という別の歌から採用されたものだった。(その旋律がオリジナルのものなのか,彼女が他の歌から借用したのかは明らかではない。)プラウナイスによると,ミルドレッドの妹のパティが歌詞を書き,「幼い子どもの限られた音楽的能力にも合うような言葉と感情と思いを表現する」旋律をミルドレッドに書いてくれるように頼んだという。
1900年代の初期のころには,「ハッピー・バースデー・トウ・ユー」は,『グッド・モーニング・トウ・オール』の旋律に合わせた,もう一つの歌詞として,さまざまな歌唱本に登場し始めていた]と,プラウナイス氏は書いている。それ以前には,この国には標準的な誕生日の歌はなかった。ケーキがあり,学校の友だちがいる現代の子どもの誕生日パーティーは,最近になってようやくアメリカでよく見られる習慣になったものである。
サミー・バーチャード社は「その歌の原作者,あるいは原作者たちにまでその権利をたどることができて初めて,所有権を主張できる」とプラウナイス氏は晝いている。「それでも,その権利をたどれる可能性がある原作者は,まさにミルドレッドとパティのビル姉妹だけだと思われますし,彼女たちのいずれかがその歌を書いたという十分な証拠はないのです」
極東最大の投資銀行であるクロスビー・インターナショナル・ホールディングズの創立者,ティモシー=ビアードソンは,最近『つまずく巨人たち 中国の将来に対する脅威一』を執筆したが,その著書で彼は中国が行いを正すのに20年という期間を与えている。彼は,中国の元国家主席邯小平のもとで,中国が驚くべき進歩を遂げたことには賛辞を惜しまないが, 2000年代初期から行き詰まっている改革には警戒している。
ビアードソンは,このことが中国のつまずきにつながりかねないと考えているが,これは全世界にとってよい知らせではない。ロンドンのコンサルタントであるカミニ=バンガとの会話の中で,この著者は,人口統計やその他の課題に直面して,中国の成長の物語が止まってしまうことを彼が心配する理由について語っている。
最も重大なのは,人口統計的課題であり,それには4つの側面がある。つまり,賃金の上昇,高齢化,人口減少,そして性別不均衡である。以前には急成長していたものの,現在では労働人口は縮小し始めている。結果として,賃金は変わらぬままであり,そのため中国は世界で最も競争力のある経済圏の一つになっている。
この課題は,豊富で賃金の安い労働者を抱えた安価な製造業者から,革新を原動力とする経済大国,つまり,外国企業の製造業者ではなく,中国ブランドの製品を製造する経済になることを必要とする。中国はそのことに取り組んできたが,この10年間はそれほど成果が上かっていない。今日,中国製の全ハイテク商品のうち83パーセントが,外国企業のために作られている。
中国は,現代的な医療と出生率の低下で,高齢化が進んでいる。伝統的には,中国の家族は自宅で高齢者の世話をするものだが,現在では一人っ子に2人の親,あるいは4人の祖父母が存命であり,扶養するのが困難な依存率になっている。簡単な解決法はない。いずれ中国でもっと多くの子どもが生まれる可能性があるかどうか見なければならない。しかし,社会における出生率は,非常に長期にわたるうねりのように変化する傾向かあり,政策を変えることによる応急処置に簡単に影響されるものではない。
中国の人口は20年後に15億大でピークに達し,その後は停滞する。今世紀の終わりには10億を下回り,2027年にはインドが中国を追い越して世界で最大の人口を抱える国になる。目下,中国人4人に対して米国人1大という割合である。今世紀の終わりには,これが1.9から1.25の間になるだろう。歴史上,人口が減少しているのに高い経済成長率を維持した社会は一つもない。
人口の絶対的な低下に即効果がある解決策はない。より多くの子どもを持つ夫婦に特別手当を出すといった政策を採用したり,より多くの子どもが暮らせる場所が持ちやすくなるように土地家屋の価格を下げる方策を取ったり,あるいは女性が労働力になるように促さないことができるかもしれない。しかし,そうしたことは,他の社会的観点から見て望ましいことだろうか? これらはみな政府の能力を超えたところで起こる傾向がある大きな世代間の人口動向にとっては,比較的小さな解決策である。
最後に中国には男子を好む,両性間の大きな不均衡があり,男女比は6対5となっている。それは,6人に1人の男孑ぺよ妻が持てないということである。女性は,裕福でより良い教育を受けたハンサムな男性と結婚するだろう。そのため,貧しく,教育を受けておらず,見た目の良くない大では割合は6人に1人ではなく,おそらく2人に1人,あるいは3人に工人だろう。そして,こうした大たちは都市部に密集しており,不安定性や,もしかすると犯罪の要因になる可能性が高い。このことは,今後20年の問に,中国にとっては本当に深刻な社会問題になることだろう。
可能性のある解決策はある。韓国は,男の赤ちゃんに対して女の赤ちゃんを犬切にするように奨励して,男子に対する女子の誕生についてさまざまなことを行ってきた。また,中国都市部では,娘のほうが息子よりも,高齢になったときによく親の面倒をみるのかもしれないという認識が今ではある。そのため,さまざまな変化が起こりつつあり,こうした割合が下がる叮能性があると私は思っている。
中国は過去30年の問に急速に成長したが,これは環境破壊という結果になっている。人々の生活は,収入が良くなったと同時に悪化したことになる。中国自体のためには,それがほぼ成長政策であったし,おそらく,最初の10年か20年はそうすることが重要だっただろう。しかし,ある時点からあとは,重要な点はどんな犠牲を払ってもただ成長あるのみというのではなく,持続可能な成長であるべきだったのだ。今,中国は現在のどの経済圏の中でも最悪の環境に陥っており,世界で最も汚染されている20の都市のうち16が中国にあるのだ。
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